中学の野球部の顧問をしていた経験から,中学生でもわかるようなバッターに必要な考え方をお教えします。
全員がこの考え方を共有できれば,チームとしての攻撃力が増すこと間違いなしです。
この記事を読めば,「なぜ送りバントが必要なのか?」「なぜフライを打つと監督が怒るのか」「点を取れるチームになるにはどうしたらよいか」がわかります。
毎日の練習から意識して,得点力のあるチームに生まれ変わりましょう。
【結論】
3つの場面に分けて,打席での考えを変えます。
①ねらい打ちをする場面
②自分の自身のある方向へ自由に打つ場面
③相手の投手をチームで攻略する場面
それでは,説明をします。
ランナーがいて,2アウトではないとき【ねらい打ちをする】
打席で考えることは「ランナーを先の塁に進めること」です。
結果的に自分がセーフになるようにしたいですが,打球方向はランナーのために考えましょう。
バッターよりもランナー優先でねらい打つ方向を考えます。
無死1塁を例に考えてみましょう。
ランナーが進む方向は,2塁。
ということは,2塁に近いセンター方向は狙いません。
センター返しが得意な打者でも,ねらわない方がよいでしょう。
ねらいは1塁線または3塁線です。
1塁線は,ライトまで飛べばランナーの次の進行方向である3塁から遠ざかり,うまくいけば3塁まで進塁できます。
3塁線なら1塁までの距離が遠く,送球する間にランナーが3塁に進塁できるかもしれません。
1塁線や3塁線でも,早いゴロだとゲッツーになる危険がありますよね?
ゲッツーにならないためにはどうするか。打球を遅くするか,外野まで飛ばすかですね。
そこで,送りバントの考えが出てきます。
無死1塁での「ランナーを先の塁に進める」ための打球方向はわかりましたか?
考え方はほかの場面でも同じです。ランナー優先!
たとえば1死2塁なら,ヒッティングならランナーが進む3塁方向はねらいません。
できればライトの方向をねらいます。
セカンドがけん制のために2塁ベースにいるなら,セカンド定位置から1塁線までが広くねらい目になります。
送りバントなら3塁方向ですが,ピッチャーやキャッチャーの動きがよい場合,やや難しくなります。
次に1死3塁なら,ホームベースから遠ざかる外野フライが理想です。
ただし,力のない打者なら叩きつけるような内野ゴロなども選択肢に入ります。
前進守備ならピッチャーマウンドの後ろあたりがホームから遠くなる位置,ねらい目です。
スクイズはランナーのスタートがあってこそのプレーです。私はあまり好みではありません。
他の場面ではどこに打つのがよいか,試合前にチームで考えてみましょう。
2アウトでランナーがいるとき【自分の自身のある方向へ自由に打つ】
ここまでは2アウトではない場面について説明をしてきました。
2アウトでは,自分もセーフになる必要が出てきます。
この場面では打球方向を考える必要はなく,自分の得意方向をねらって打ちましょう。
いいチームは2アウトで得点圏にランナーがいることが多いです。
練習の中で自分の得意方向を見つけ,打ったらヒーローになれるかもと,気楽な気持ちで打ちましょう。
ランナーがいないとき。【相手の投手をチームで攻略する】
ランナーがいないときの打席での考え方は重要です。
ポイントになるのは,いつ打ちにいくのかです。
甘い球を狙っていくのも,1ストライクまでは見送るのも,一つの作戦ですが,私はおススメしません。
私が中学生に伝えた考え方は1イニング10球は投げさせるです。
少なくとも打者は3人いますから,10球投げさせることはそんなに難しくありません。
まず,チーム全員でイニング内の球数を数えていきます。
そして,10球を超えたら好球必打にします。
まとめ
要するに私の言いたいことは,日ごろからねらい打ちの練習をするべきだということです。
子どもは自分の得意方向の練習は積極的にしますが,流し打ちやバントの練習には消極的なことが多いです。
私の考えを伝えると,子どもたちは実に面白がって,試合をやっていました。
「1球目を見送る」「難しい球はファールにする」などの考えも自然と出てきます。
バントのサインにも嫌な顔をしなくなりました。
好投手ほど攻略は難しいけど楽しいものです。
チーム打撃,とっても楽しいですよ。
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