学校でのいじめが近年,問題になっています。
そして,自殺の問題もニュースで見るようになってきました。
加害者への指導は,学校や担任の責任であるのは間違いないと思います。
一方で,わが子が学校でいじめにあっていないか,心配な保護者も多いと思います。
そこで,現役教師の私が考えるいじめ問題の「相談のしかた」と「家庭でやってほしいこと」について記事にします。
とても繊細な問題なので反論は大いにあると思いますが,私自身も勇気を出して書きます。
結論から言います。 「いじめ問題解決に必要なことは,自分の気持ちを相手伝えること 」です。
自分の気持ちを相手伝える
これは,学級内のすべての子どもに必要なことです。
専門用語でアサーション(自己主張)といいます。
【わが子がいじめについて話してくれたときにすること】
子どもが「学校でいやなことがある」と話すとき,「みんなが○○をしてくる」という言葉とともに自分の嫌な気持ちを勇気を出して話してくれます。
この気持ちは素直に受け止めて,共感してあげましょう(ほとんどの親がそうすると思います)。
そのあと担任の先生や学校に相談すると思うのですが,ご家庭でやってほしいことがあります。
①「みんなが」とは誰のことを指し,どんなことをされて嫌なのか明確にする(つらいこともありますが聞きます。ここからしか解決はありません)
②加害者一人ずつに自分の口で「○○されて嫌だった。やめてほしい」と言う練習(これが大事)。担任の先生や校長先生の前でもよいので自分の口で本人に言うことが大切です。
解決への道のり
解決する順番は,
①加害者に嫌なことの内容と気持ちを伝える(担任や信頼できる先生の前でよい)
②教師が加害者の行動を,保護者が被害者の心の変化を見守る(担任だけでなく,学年での指導)
③本人の心が軽くなれば解決
となります。
私の経験ですが,解決がうまくいかないときは,保護者が子の気持ちを担任に話し,大人だけで解決しようとしていることが多いです。
「うちの子は言えない。」「言ったらいじめが悪化する。」と思うかもしれません。
でも,自分の気持ちを相手に伝えることは誰にでも必要なことです。
自分の気持ちを伝えることは,いじめに限らず,多くの問題解決の第一歩になります。
それでもいじめが解決しないときは…
多くのいじめは,自分の気持ちを伝えると解決していきます。いくらやんちゃな子どもでも,相手が嫌がっていることを知り,保護者や学校に広く知られたら,問題行動をしない子どもの方が多いです。
一方で,現実には大人の見ていないところでいじめを続ける,心無い加害者もいます。
もしもいじめが悪化したり,悩みが深くなってしまったら,すぐに再び学校に相談しましょう。
そして,心の安定が得られない場合には,転校や不登校も考えましょう。
加害者指導の失敗は学校の責任です(これはまちがいありません)。
ですが,被害者のご家庭が優先するべきはお子さんの心の安定です。
責任追及よりも命こそが大切です。転校や不登校を視野に入れて話し合いをしてください。
自分の気持ちを伝えると本人の成長になる
結局,私が伝えたいのは自分で気持ちを伝えることが本人の成長になるということです。
気持ちを伝えた後,「言ってよかった」と思えるよう,私たち教師は全力を尽くします。
いじめ問題は昔から繰り返されていますが,その本質は気持ちを伝達できない子たちの問題だと思います。それは,子どものうちに乗り越えさせなければいけない問題でもあります。
相手の存在を否定しない言い方ができるようになるとGoodです。たとえば「お前がイヤ」という言い方を変え,「お前のつける変なあだ名がイヤ」ときちんと伝えられる子になってほしいですね。
教師として,どの子にも相手を傷つけない自己主張を身につけさせたいと思う,今日この頃です。
いじめ問題がなくなることを心から願い,いじめと向き合うご家庭が少しでも救われてほしいと思います。
気になることがあれば,コメントで質問や相談をしていただけると,次の記事を書くきっかけになります。
よろしくお願いします。