ゲームの対象年齢(CERO)を守るべき理由5選

子育てのコツ

反響のあった記事【子どもにゲームを買うときに気をつけるたった1つのこと】の理由を,具体例を挙げてご説明します。
対象年齢を守らないことで起こる危険を実際に生徒指導で体験したことをもとにお話します。

子どもにゲームを買ってあげたいと思ったら,買う前に一度,記事をお読みください。
私は「すべてのゲーム=悪影響」とは思っていませんが,年齢以上のゲームを渡すことにはさまざまなリスクがあります。
なおゲーム名をいくつか挙げて話しますが,そのゲームや機能自体を否定する意図はありません。

①ボイスチャットで知らない人とつながる危険性があるから

【事例】

 スマホゲーム(荒野行動)をクラスの子3人とボイスチャットを使って遊んでいた。
 そこに,4人目の関西弁のおじさんが入ってきた。
 子どもたちが普段通りの会話をしている姿を見た保護者が学校に相談がきた。

【子どもはなぜそうなってしまうのか】

 インターネットの世界と現実の世界を区別することができない子が多いです。
 とくに,学校の友達とゲームをしている時には,本名・地名・年齢などを平気で話してしまいます
 ネットで知り合った人を「友達」と言う子もいます(会いに行きたいと言う子も)。

 みなさんは,わが子をインターネットを通じて危険に晒したいですか?
 話してよい内容を理解できる年齢になってから,ボイスチャット機能のあるゲームを与えるようにしましょう。
 私の経験から言えることは「個人情報は話しちゃダメ」と言うだけでは,小・中学生には効果がないことがほとんどでした。

②対人ゲームで相手を「あおる」行動が流行しているから

【事例】

 部活動の練習中,試合で勝った子が相手に「負け犬のポーズ」をして,負けた子がキレて殴り合いのケンカになった。
 二人から話を聞くと,負け犬のポーズはバトルロワイヤルゲーム(フォートナイト)で倒した相手をバカにする煽りのポーズとのこと。
 ユーチューバーのプレイ動画を見て,真似をしたと話した。

【子どもはなぜそうなってしまうのか】

 ゲームの世界では負けた相手をバカにする行為(あおり行為)がよくあります。
 ゲーム内では負けた方はそれ以上何もできない状況が多いため,ケンカになることはありません。
 でも,現実では違います。
 目の前にいる相手にそんなことをしたら,嫌な気持ちになることは明らかです。

 みなさんは,わが子に「勝ったら相手をバカにしてもいいんだよ」と教えますか?
 本当はゲームの方のあおり行為もよくないのですが,それを規制するよりも子どもを守る方が大切です。
 子どもたちは好きなゲームの実況動画をよく見ます。
 どんな動画を見ているか,(ときどきでもよいので)一緒に見守ってあげましょう。
 私の経験では,対象年齢内のゲーム(ポケモンなど)では,あおり行為が少ない印象です。

③相手を殺す(キル)自分が死ぬ(デス)という乱暴な言葉を覚える・使うから

【事例】

 教室内である子が「お前キルするぞ」と言った。
 言われた子が保護者に「キルってなに?」と聞き,教室内での会話を伝えた。
 心配した保護者が担任に相談。言った子はキルが「殺す」という意味だと知らず,「教室から出すぞ」と言いたかった

【子どもはなぜそうなってしまうのか】

 子どもは大人が使う言葉を真似して覚えていきます。
 今回の事例では,ゲーム動画の投稿者が発していた「キル」という言葉を真似して使ってしまったのです。

 みなさんは.わが子が乱暴な言葉づかいになっていくことを望んでいますか?
 いつかは乱暴な言葉も覚えていくと思います。
 私の経験では,意味も分からないうちに言葉を覚えてしまう小・中学生ぐらいの時期には,不要な乱暴な言葉は教えない方がよいです。

 友達の影響などで覚えてしまったら,きちんと意味を確認して使わない方がよいと教えてあげましょう。 

④ 画面に向かっての暴言癖が身につくから

【事例】

 保護者会で相談。
 ゲームに夢中の息子,家庭内での暴言が増えてきた。
 反抗期かしら?とのこと。

【子どもはなぜそうなってしまうのか】

 結論から言うと,(この子の場合は)反抗期ではありません。
 ゲーム画面に向かって暴言を言う癖がついてしまっています。
 ゲームと現実の区別があいまいな子どもの時期には,その暴言が家族や友達に向くことがあります。 

 みなさんは,わが子がゲーム画面と現実の区別なく話す子になってほしいですか?
 私の経験では,ゲームの実況動画を投稿する人は過剰にリアクションしている人が多く,暴言も(楽し気に?)飛び交うことがあります。
 子どもは正しい会話だと思って大人の真似をします。間違った行動は,きちんと正してあげたいものです。

⑤ 拳銃や刃物に対する強い興味・関心を抱くから

【事例】

 とくになし

【子どもはなぜそうなってしまうのか】

 ゲームに出てきた物が実際にあると分かれば,興味を持つのは当然のことです。
 私の経験に,問題行動になった子がいないことは幸せかもしれません。
 ただ,拳銃や刃物が登場するゲームを与える時に,気をつける必要はあると思います。

まとめ

 以上がゲームの対象年齢(CERO)を守るべき理由5選です。
 ちなみに,私はゲームが趣味です。
 ゲームが好きな私だからこそ,ゲームにともなう危険に子どもをさらしたくないのです。
 ゲームは本来,楽しいものです。ぜひ,対象年齢を守って安全に楽しんでくださいね。

 個人的には,テレビゲームよりもボードゲームがおすすめです。

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