私が母を説得した「年金は繰り下げ受給すべき」理由【年金法改正2022】

社会問題に対する考え

年金は65歳から受け取ることができますが,60歳からに繰り上げたり,75歳からに繰り下げたりすることができます。
年金を受け取る年齢を決める基準は,「損か得か」ではなく,「老後破綻をしないかどうか」です。
いつ亡くなるかわからないので,私は損得勘定はできない(結果論)と考えています。

【繰り上げ・繰り下げの効果(2022年4月)】

65歳の受給額を満額(仮に年間100万円)とする。<月8万くらい>
60歳で繰り上げ受給すると,-24%(年間76万円)<月6万くらい>
75歳で繰り下げ受給すると,+84%(年間184万円)<月15万くらい>

個人の受給額は「ねんきん定期便」で確認できます。59歳の定期便(封筒)では,自分のおよその受給額がわかります。

【母が言いたいこと<満額受給したい理由2つ>】

①老後は年金貯金2000万程度(自称)の切り崩しで過ごしたい。
その一方で,子の援助は受けたくない。そこにはプライドがある。
②早く死ぬ気がする。年金がもらえないのがもったいない
その一方で,子には資産を残さず,すべて使い切りたい(笑)

私は1つずつ説得をしていきました。

<満額受給したい理由①>老後は年金+貯金2000万程度(自称)の切り崩しで過ごしたい

母は,早く(退職してすぐ)から年金をもらいながら,貯金を使う予定でいました。
【私の反論】人生がいつまで続くかわからない中,貯金が減っていくのは必ずストレスになる。貯金を守るより月あたりの受給額を安定させた方がよい。
私が話したのはいつまでも幸せに長生きしたいなら,貯金が減ってから年金を受給し,月あたりの受給額を多くした方がよい,ということです。
長年貯めてきた貯金を切り崩しながら老後に不安(子の援助を受ける心配)を抱えるよりも,貯金を使ってから受給した方が「余計なことを考えなくてよい」と話し,母は納得しました。

<満額受給したい理由②>早く死ぬ気がする。年金がもらえないのがもったいない。

祖母が年金を受けとらずに亡くなっていることもあり,母は年金を早くもらうべきと考えているようでした。
【私の反論】早く死ぬ気がするなら,なおさら貯金から使うべき
私が話したのは,「もし長生きした時に少ない受給額だと私のお金を頼ることになる(それでもいいけど)」ということです。
この話を出すと,プライドの高い母は貯金から使い,繰り下げ受給することを即決しました。

結論

いつまで生きるかわかりませんから,年金の受給時期については損か得かではなく,老後破産をするかどうかで決めるべきです。
家庭の経済状況にもよりますが,貯金のある私の母が,退職をきっかけに年金を繰り上げて受給する理由はありません(一応,繰り下げ受給では87歳前後で「元が取れる」計算になります)。
本人の判断を尊重しながら,幸せな老後を過ごしてほしいものです。
もちろん,有事の際は私もお金を出す覚悟も用意もあります。

今回の記事は以上です。
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